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子どもの学力はなぜ下がったのか――小6・中3「全国学力・学習状況調査」から見える“スマホ・ゲーム”“家庭の関わり”と対策のすべて

子どもの学力はなぜ下がったのか――小6・中3「全国学力・学習状況調査」から見える“スマホ・ゲーム”“家庭の関わり”と対策のすべて

2025年08月02日 00:03

目次

  1. 学力低下は本当に起きているのか:最新データの結論

  2. どの教科・学年が下がったのか:小6・中3の具体像

  3. 学習時間は減り、スマホ・ゲームは増えた:数字で読む生活実態

  4. 「保護者の関わり」が鍵:家庭で何が変わったのか

  5. SES(社会経済的背景)による差とコロナ以降の地殻変動

  6. 国際比較:PISAが示す「過度な機器利用」と学力の関係

  7. よくある誤解と注意点(相関と因果、CBT/PBT差、学力の定義)

  8. 今日からできる“実践ガイド”――家庭・学校・自治体・国

  9. まとめ:デジタル時代の「学ぶ力」をどう育てるか

  10. 参考記事・出典リンク



1. 学力低下は本当に起きているのか:最新データの結論

文部科学省が4月14~17日に実施し、7月14日・31日に段階公表した2025年度(令和7年度)の「全国学力・学習状況調査」では、小6の国語・算数、中3の国語・英語で基準年比のスコア低下が観察された(中3数学は大きな変化なし)。国は今後も経年での分析継続を明言している。これは一時的変動の可能性を残しつつも、“下がった”という観察結果自体は事実だ。 文部科学省



2. どの教科・学年が下がったのか:小6・中3の具体像

経年比較では、小6:国語・算数/中3:国語・英語でスコア低下が確認。分布(箱ひげ図)でも左方移動が見られ、下位層の厚みを含めた分布変化が示唆される。分析はPBT(紙)実施校同士で行われ、CBT(端末)では画面レイアウト等の影響が出た問題があったため、比較は方法差を考慮している。 文部科学省



3. 学習時間は減り、スマホ・ゲームは増えた:数字で読む生活実態

  • 学校外の学習時間:減少。 学校外での学習時間が長いほど学力スコアが高い傾向。 文部科学省

  • テレビゲーム利用:増加。 利用時間が長いほどスコアが低い傾向。 文部科学省

  • スマホ利用:増加。 一定時間を超えるとスコア低下と相関。具体的に、小・中ともに「長時間利用」層の比率が増えた。グラフでは小学生で「持っているが普段使わない」「持っていない」層が減り、1~3時間以上の利用が伸長。中学生も同様の伸びが確認できる。 文部科学省


これらは相関であり、単純に「スマホのせい」と断じるのは早計だが、長時間利用と学力の低さが同時に観察されるのは確かである。 文部科学省



4. 「保護者の関わり」が鍵:家庭で何が変わったのか

保護者調査では、次の特徴が明らかになった。


  • 「家で勉強の話をする」保護者の割合が減少。 話す家庭の子どもは学習時間が長い。

  • 「ゲームの時間を限定する」「スマホルールを守らせる」家庭の子は、利用時間が短い。

  • 保護者自身のゲーム・SNS/動画視聴時間が長いほど、子どもの利用時間も長い。

  • 「学校生活が楽しければ、良い成績にはこだわらない」保護者の割合が増加し、その子どもは学習時間が短い。

    いずれも家庭内の関わりや姿勢が、子どもの“時間配分”を左右することを示す結果である。 文部科学省



5. SES(社会経済的背景)による差とコロナ以降の地殻変動

SESが低い層ほどスコア低下が大きい傾向(中3英語を除く)が確認された。学習時間の確保、端末や学習支援資源の差、生活リズムの安定度など、複合的要因が背景にある。国内の学力分布の変化(下位層の厚み)や、端末環境・学習支援体制の差は、コロナ以降の学校・家庭をまたぐ課題でもある。 文部科学省



6. 国際比較:PISAが示す「過度な機器利用」と学力の関係

OECDのPISAは、授業中のデジタル分散(自分や他者の端末利用による注意散漫)と数学スコアの低下の相関、端末の“適度な学習利用”はプラスだが過度利用はマイナスという“U字型”の関係を示している。端末を学習目的で1時間程度活用する層は、活用ゼロ層より数学で**+14点**高い一方、娯楽的な長時間利用は成績低下と関連する。国内の結果はこの国際傾向と整合的だ。 OECDOECDOECD



7. よくある誤解と注意点(相関と因果、CBT/PBT差、学力の定義)

  • 相関≠因果。 「成績が低い→長時間スマホ」「長時間スマホ→成績低い」双方の可能性や第三要因(睡眠不足、家庭環境、学習意欲など)を含む。調査は観察研究であり、因果を断定しない。 文部科学省

  • 実施方式の配慮。 2024年度(令和6年度)の経年分析はPBT実施校同士で比較し、CBT特有の影響(レイアウト・操作等)には留意している。 文部科学省

  • 学力の定義。 本調査のスコアは「国語・算数/数学・理科(英語)」の測定結果で、学びの広範な力すべてを代表するわけではない。授業理解度や非認知能力など、別指標も重要。 国立情報学研究所



8. 今日からできる“実践ガイド”――家庭・学校・自治体・国

8-1. 家庭:ルールと見える化(実践テンプレ)

  1. スマホ・ゲームの“使用帯”を固定(例:平日19:30~20:15の45分、休日は合計2時間まで)。

  2. 充電はリビング固定、就寝1時間前はスクリーンオフ。

  3. 学習タイムは先にブロック(平日16:30~17:30)。

  4. “親も同じルール”:家族でSNS・ゲーム時間を公表し、週1回の家族会議で振り返る。

  5. 勉強の会話を増やす(週3回、1回5分でも)。「今日は何を学んだ?」「どこが難しかった?」――話題化だけで学習時間が延びる傾向がある。 文部科学省



8-2. 子どもの自律を育てるチェックリスト

  • 睡眠:小学生9–11時間/中学生8–10時間を目安に就寝固定。

  • 学習:平日60–90分を習慣化。まずは同じ時間・同じ場所。

  • 端末:タイマー活用と“終了合図”(キッチンタイマー・家族コール)。

  • 代替行動:だらだら視聴→10分散歩・ストレッチに置換。



8-3. 学校:授業理解度と支援の強化

  • 授業が「よく分かる」ほど、学習時間は長く、スマホ・ゲーム時間は短い。 説明の可視化・板書最適化・形成的評価(小テスト即時フィードバック)をセットで。 文部科学省

  • **ホームルームでの“学習計画×時間設計”**を月次で実施。

  • スクールカウンセラー・SSWの活用で生活リズムと家庭環境を支える。



8-4. 自治体:学びのセーフティネット

  • 学習・居場所の夜間開放(図書館・公民館・放課後施設)。

  • 低SES世帯への学習支援(無料塾、通信費支援、Wi-Fiスポット)。SESとスコアの関係は政策優先度が高い。 文部科学省



8-5. 国:評価と支援の高度化

  • CBTの設計改善(読みにくさ・操作負荷の最小化)と長期トレンドの丁寧な公表。 文部科学省

  • 教員多忙化の是正と学習支援人材の充足(PISAでも人員不足の深刻化が示唆)。 OECD



9. まとめ:デジタル時代の「学ぶ力」をどう育てるか

結論は二つ。
① 学力低下は複合要因。 学習時間の減少、スマホ・ゲームの長時間化、保護者の関わりの変化、SES差、授業理解度や学級経営、教員人員の課題――“一本因子”では説明できない。 文部科学省OECD
② 解決は「ゼロ化」ではなく“設計”。 端末は“適度な学習利用”で力を伸ばし得る。時間・場所・目的の設計と家庭・学校・社会の共助で、子どもの“学ぶ時間”を取り戻そう。 OECD




10. 参考記事・出典リンク

  • 文部科学省「令和7年度 全国学力・学習状況調査の報告書・集計結果」

  • 文部科学省「経年変化分析調査・保護者に対する調査の結果(概要)」PDF

  • 文部科学省「経年変化分析調査・保護者に対する調査の結果(概要)のポイント」PDF

  • 国立教育政策研究所「令和7年度全国学力・学習状況調査:調査問題・正答例・解説資料」

  • OECD PISA 2022(Volume I Full Report)

  • OECD「Students, digital devices and success」(2024年報告)PDF

  • OECD PISA 2022(プログラム概要)



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