偽株主優待券がフリマアプリに横行：メルカリ出品のリスクと企業の警鐘、マクドナルドも公式注意喚起

2025年07月19日 18:35

フリマアプリで横行する偽造優待券の実態

日本では、個人間取引が盛んなフリマアプリ「メルカリ」や「ラクマ」などを通じて、企業の株主優待券が手軽に売買されています。本来は株主への利益還元のために配布される優待券が、出品者によって多数流通し、中には偽物が含まれているという深刻な問題が浮上しています。

報道によれば、これらの偽造優待券は非常に精巧に作られており、専門家でも一見して真贋を判別できないほどの完成度です。例えば、優待券の色味・フォント・紙質まで本物に酷似しており、一般ユーザーはもちろん、企業の現場スタッフでも即座に識別できないケースが多数報告されています。

2025年7月10日、日本マクドナルドは公式サイト上で「非正規ルートで入手された株主優待券の使用を禁止する」旨を発表。これにより、フリマアプリなどで購入した優待券が実際の店舗で使えない可能性があることが明確になりました。加えて、偽物の利用により返金や交換は一切行わないことも強調しています。

フリマアプリの代表格である「メルカリ」では、これまでも偽造品に対して厳しい姿勢をとってきました。出品禁止物には「真贋不明の株主優待券」「コピー品」などが明記されており、これらに違反する出品者はアカウント停止や商品削除などの措置が取られます。

メルカリは、AIと人力による24時間365日の監視体制を整えており、権利者との情報共有や通報システムを活用しながら不正出品を取り締まっています。ただし、すべての偽造品を事前に見抜くことは困難であり、購入者側の注意も不可欠です。

日本の株主優待制度は、株主への利益還元や企業イメージ向上、長期保有のインセンティブとして活用されてきました。特に外食・小売・娯楽業界においては、一般消費者向けに魅力的な内容が多く、投資家だけでなく“優待券目当て”で株を購入する層も存在します。

偽造優待券が広まると、企業側は制度の見直しや中止を検討せざるを得なくなるリスクもあります。優待券の電子化や使用条件の厳格化といった対策も今後進むと考えられます。

訪日外国人観光客が日本企業の株を購入することも増えており、フリマアプリ経由で優待券を入手しようとするケースも散見されます。外国人が誤って偽造券を購入・使用する可能性もあるため、英語での注意喚起やグローバルな対応も求められます。

偽造株主優待券の横行は、企業・ユーザー・制度の三者にとって重大なリスクをもたらします。安全な取引のためには、公式経路での入手と企業・プラットフォームの情報発信、そして購入者自身のリテラシーが鍵となります。

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