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細菌の新たな“捕食者”が明らかに!「脂質を奪う五つの刃」 ― 捕食細菌が隠し持つ“スーパー武器”PopA の衝撃

細菌の新たな“捕食者”が明らかに!「脂質を奪う五つの刃」 ― 捕食細菌が隠し持つ“スーパー武器”PopA の衝撃

2025年07月09日 00:29

1. 序章―「細菌を食べる細菌」という奇妙な生態系

抗生物質が効かないスーパー耐性菌(AMR)は、いま世界保健機関(WHO)が警鐘を鳴らす“静かなるパンデミック”だ。その対策として脚光を浴びているのが、細菌を捕食する細菌──たとえばBdellovibrio bacteriovorus(以下、Bdellovibrio)である。

Bdellovibrio は、獲物となるグラム陰性菌に突進し、細胞壁を破って内部に侵入、養分を吸い取って分裂したのち宿主を破壊して飛び出す。まさに細菌界のオオカミだ。1970年代から研究は続くが、その攻撃メカニズムは依然としてブラックボックスが多い。en.wikipedia.org


2025年7月、英バーミンガム大学を中心とする国際研究グループは、この捕食者の「武器」の一端を解明したと発表した。彼らが着目したのは PopA と名付けられた外膜タンパク質(OMP)。従来は単量体または三量体が定説だった OMP が、なんと**五量体(ペンタマー)**を形成していることが判明し、周囲の脂質を“すくい取る”ように捕捉する奇抜な構造を持つという。


研究チームは X 線結晶解析・クライオ電子顕微鏡・AI 構造予測を組み合わせ、PopA の“どんぶり型”の立体構造と脂質トラップ機構を可視化した。さらに相同性検索の結果、テトラマー、ヘキサマー、ノナマーなど多彩な量体を取る“兄弟タンパク質”が多種多様な細菌に潜んでいることがわかり、未踏の「スーパー ファミリー(超科)」の存在が浮かび上がった。phys.orgnature.com


2. 研究の詳細―脂質を奪う新たな捕食戦略

2-1 先行する常識との衝突

これまで OMP の多量体化は、輸送チャネルの安定化や細胞外への張り出し構造(ピロプス)形成といった限定的機能に結びついていた。しかし PopA は “脂質トラップ” という全く別の戦略を採る。膜を構成するリン脂質や脂肪酸を直接捕捉し、宿主膜の局所的な欠損を引き起こして殺傷力を高める可能性がある。さらに E. coli に人工発現すると宿主膜が部分的に崩壊し、生育不全に陥ったという。phys.org


2-2 スーパー ファミリーの広がり

AI ベースの FoldSeek 検索により、海洋、土壌、宿主共生型など環境を問わず PopA 類似タンパク質が検出された。これは「捕食者限定の武器」という従来イメージを覆し、細菌間競争の普遍的ツールである可能性を示唆する。病原菌が宿主細胞膜を破壊する仕組みや、バイオフィルム崩壊剤としての応用が期待される。eurekalert.org


3. 専門家コメント

  • Andrew Lovering 教授(バーミンガム大・構造生物学)

    「細菌外膜の“教科書モデル”を書き換える発見だ。PopA の五量体構造は“例外”ではなく、“先例”になるかもしれない」

  • R. Elizabeth Sockett 教授(ノッティンガム大・微生物学)

    「Bdellovibrio 研究は捕食現象の謎解きから抗菌技術へとシフトしている。PopA スーパー ファミリーの同定は、その橋渡しになる」


4. SNS での反響

研究発表後、#PopA #BacterialPredator などのハッシュタグが X(旧 Twitter)や Mastodon で急浮上した。

プラットフォーム投稿例いいね/ブースト
X(@En_formare)「Scientists uncover superfamily of bacterial predator proteins 📣」1.2k
X(@spappasa)「#Science #Discovery 捕食細菌の“脂質トラップ”構造に驚愕!」790
Mastodon(@microgem)「Bdellovibrio が“脂質をすする”姿を想像すると背筋がゾクッとする…」430


バイオインフォ系インフルエンサーは「天然の抗生物質工場だ」と賞賛する一方、合成生物学者からは「誤作動すれば有用菌も餌食になる」と慎重論も上がるなど、議論は拡散中だ。


5. 医療・産業応用の可能性

  • 代替抗生物質
    PopA の脂質トラップ活性を模したペプチド/小分子化合物は、外膜破壊型抗菌剤として新規クラスを築く可能性がある。

  • バイオレメディエーション
    油汚染環境で脂質を捕捉する能力を利用し、汚染除去を助ける人工微生物コンソーシアム設計が構想されている。

  • 合成生物学プラットフォーム
    PopA スーパー ファミリーをモジュール化し、細胞外ベシクルの狙い撃ちやリポソーム型ドラッグデリバリーの開口制御に転用できるかもしれない。


6. 課題と展望

  1. 非捕食菌での機能
    多様な細菌に PopA 類似体が存在する理由は未解明。防御側(獲物側)の膜改変ツールという逆転シナリオも浮上する。

  2. 構造多様性の意味
    四量体や九量体は、五量体より大きな脂質プールを捕捉するのか、それとも全く別の基質を標的とするのか。

  3. in vivo 検証
    動物モデルでの安全性・有効性評価が不可欠。とくに腸内細菌叢への影響は複雑系シミュレーションと実験の両輪が求められる。


7. 結語

PopA の発見は、捕食細菌研究のギアを“生態解明”から“分子武器の活用”へと大きく変えた。「細菌同士の軍拡競争」を覗き込むことは、人類が新たな抗菌戦略を手にする最短ルートなのかもしれない。次世代シークエンサーと AI 構造予測がもたらす「隠れたスーパー ファミリー」の発見ラッシュは、この先も続くだろう。


参考記事

科学者たちが「スーパーファミリー」と呼ばれる細菌捕食タンパク質を発見
出典: https://phys.org/news/2025-07-scientists-uncover-superfamily-bacterial-predator.html

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