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ポルノ離脱はビジネスになるのか?19歳が月50万ドルを生む“反ポルノ”アプリの正体

ポルノ離脱はビジネスになるのか?19歳が月50万ドルを生む“反ポルノ”アプリの正体

2025年09月01日 11:56

1) 「19歳の成功物語」はどこまで本当か

ブラジルの経済メディア InfoMoney は8月30日、19歳の英国人起業家アレックス・スレーターが、ポルノ離脱支援アプリ「Quittr」で月商およそ50万ドル(約270万レアル)に達し、日次15万人が利用、100万超がDLしたと報じた。料金は年額£29.99。主要機能として「端末が振動してフロントカメラを起動する“パニックボタン”」「目標ゲーミフィケーション」「掲示板」「マインドフルネス」「サイトブロック」などが紹介されている。情報源は英 The Sun の記事で、開発者本人の生活ぶり(マイアミの約1,000万ドル豪邸、ランボルギーニ購入検討)にも触れる。数字は華やかだが、出所は当人の自己申告を含む面があり、鵜呑みには注意がいる。InfoMoneyThe Sun


2) なぜ今“ポルノをやめるアプリ”が伸びるのか


背景には三つの潮流が重なる。

  • 規制の強化:英国では2025年7月、成人サイトに政府IDや顔スキャン等で年齢確認を求める厳格なルールが導入。プライバシー懸念や「抜け道」議論を呼ぶ一方、家庭・学校・宗教以外の“第三の規範”としてアプリやツールが注目されやすい環境をつくった。The Washington Post

  • 自己改善(self-help)市場の拡大:メディアはQuittrを「行動科学×コミュニティ×ゲーミフィケーション」に載せた“デジタル禁欲”サービスとして位置づける。1年禁欲達成率41%という自己評価も紹介され、ウェルネス産業の一角として扱われた。ここは“証拠の質”が問われる領域だ。The Week

  • SNS発の成長ループ:創業者や公式Xアカウントは積極的に発信し、ミーム広告1本100ドルで2万ドル超の売上を作ったという事例も拡散。低予算でも巨大な話題化を狙える設計だった。X (formerly Twitter)X (formerly Twitter)startupspells.com


3) 機能の核は「衝動を跨ぐための“数十秒”」

Quittrの設計思想は、再発(relapse)の“直前数十秒”に介入することにある。端末を震わせ、カメラを起動して「いまの自分」を直視させる“パニックボタン”。短期目標の積み上げで自己効力感を回復させるゲーミフィケーション。コミュニティ掲示板での相互励まし。マインドフルネスで渇望の波をやり過ごす。アプリストアの説明も、単なるブロッカーではなく“リレーショナル”な習慣設計ツールであることを示唆する。InfoMoneyGoogle PlayApple


4) 「歓喜」も「違和感」も──SNSの温度差

SNS・掲示板の反応は鋭く割れる。

  • ポジティブ:「数年ダメだったが、これは出口になった」との体験共有ポスト。コミュニティが“やり切れなさ”の受け皿になったという声も。Reddit

  • ネガティブ/実務的課題:Androidでのブロック挙動に関する技術的な疑問、無料代替の探求、サブスク価格への抵抗。Reddit

  • 思想的反発:「若者の自然な性的探求を病理化する」との批判。ノルウェーの性教育専門家は“搾取”とまで表現し、より開かれた性教育の必要を説いた。aftenposten.no


5) 数字の“質”を点検する

華やかなKPIはストーリーテリングの核だが、検証は別物だ。

  • DL・DAU:100万DL、15万DAUは“勢い”を語るには十分。ただしDLは累計、DAUは運営側が恣意的に切れる指標で、継続率の情報がない。InfoMoney

  • 売上:月50万ドルはサブスク年額£29.99と矛盾しないレンジだが、返金・プロモ・地域価格をどう処理したかは不明。メディアの一次ソースはタブロイド紙掲載の数字で、外部監査は示されていない。The Sun

  • 効果:1年禁欲率41%は注目に値するが、対照群の設計や自己申告バイアス、測定時点の定義が欠ける。エビデンスとして語るには、査読論文や第三者評価が要る。The Week


6) 倫理と法──“保護したい相手”をどう扱うか

報道では「ユーザーの約半数が18歳未満」との言及もある。もし事実なら、個人データの取り扱い、保護者同意、行動変容介入の倫理が最重要になる。加えて、顔スキャン等の年齢確認が広がる潮目では、プライバシー保護や越境データ移転、監督当局への説明責任も重い。事業拡大ほど「守るべき線」は濃くなる。aftenposten.noThe Washington Post


7) “反ポルノ”はビジネスか、ムーブメントか

Quittrは規制の追い風を背に、行動科学とコミュニティを商品化し、SNSの拡散力で初速を作った。ミーム広告や創業者の発信は、抗ポルノ言説と自己改善文化を“楽しくシェアできる物語”に翻訳する巧さがある。一方で、未成年の扱い、プライバシー、実証という三つの宿題は重い。ここを丁寧にクリアしない限り、成功物語は脆く崩れうる。


8) 投資家・起業家・親たちへのチェックリスト

  • KPIは“外部検証”の有無を見る(監査、第三者計測、離脱率の開示)。

  • 介入の有効性は、効果量・追跡期間・対照群の設計を確認。

  • 未成年ユーザーの同意・保護プロセス(年齢推定、保護者関与、危機介入の導線)。

  • データ最小化と端末内処理の徹底。顔データやセンシティブ情報は原則取得しない。

  • マーケティングは“恐怖訴求”より“セルフケア”を前面に。コミュニティ運営は専門家の監修を。

  • 規制動向(年齢確認義務化、アプリストアポリシー、広告規制)の常時モニタリング。The Washington Post


参考記事

イギリスの若者がポルノ対策アプリで月に270万レアルを稼ぐ
出典: https://www.infomoney.com.br/business/jovem-britanico-fatura-r-27-milhoes-por-mes-com-app-contra-pornografia/

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